ヤクルト、阪神で野村氏のもとプレー。楽天ではコーチとして野村氏を支えた橋上秀樹氏が野村克也さんの訃報を受け、追悼した。

「公私にわたって非常にお世話になり、今こうやって野球の仕事ができているのは間違いなく野村さんのおかげ。常に感謝していた方なので、非常に残念でなりません。

奥さまが亡くなられた時にご自宅の方にうかがわせていただき、1時間半くらいお話しさせていただいた。その時の落胆ぶりが印象に残っていて、そういったところが気にはなっていたんですが、昨年のヤクルトOB戦の時にお元気な姿で球場にいらしていたので、ちょっと安心はしていたのですが。ただただご冥福をお祈りするしかないです。

辛口コメントも多い方ですが、情にもろい部分ももっていて、非常に人情味のある方でした。メディアの方を介してファンの方をより楽しませる、ファンを増やすといったことも頭にいれながら監督業をされていて、今だから言えますけど、試合後のインタビューのコメントも、ゲーム中に『今日は何を言おうかな』と考えていた。ゲーム中にマネジャーに4文字熟語や言葉の意味を調べさせたり。ゲーム後のコメントでそれをつかって。私は翌日の新聞で『ああ、こういうふうに使ったんだ』というのが多々ありました。それもファンの方々を意識してのことで、そういったところでも野球界に貢献した部分は大きかったと思います。

楽天では非常に苦労が多かったのも事実で、選手として野村さんがどんな野球をやるのかは分かっていたのですが、コーチとして接してみてさらに野村さんの野球を支えることの大変さを痛感した4年間でした。ナイターで球場を出るのが夜の12時を回ることがよくありました。試合前は早い時間から来て、いろんな資料を見て、データを確認して、野村さんの要求にすべて答えられるように準備をしていた。それがその後の自分のコーチとしての大きな財産になりました」と話した。