日本ハムの3年目・清宮幸太郎内野手(20)が“プロ入り初サヨナラ打”を放った。

14日、DeNA戦(札幌ドーム)に6番一塁でフル出場。同点の9回2死二、三塁、中前適時打で勝負を決めた。笠井の真ん中に飛び込んできた変化球122キロをはじき返した。「打った瞬間、安打だったのでホッとしました。シーズンに向けて、頑張ります」。チームメートが待つ三塁側ベンチへ、跳ねるように帰った。

1回2死満塁の第1打席では、早実時代の16年秋季都大会で5打席連続三振を喫した日大三出身の桜井と対戦。「ああいうところで回ってくるんだな」と苦笑いも「打つべき球と、そうでない球をしっかり見極められた」。追い込まれながら、最後は内角高め141キロにバットが止まった。オープン戦初打点となる押し出し四球。プロ1年目の18年3月のオープン戦でも三振に倒れていた天敵を相手に、成長を見せつけた。

右肘手術の影響で、開幕1軍は厳しいとみられていたシーズン。試合前の円陣では、先輩に引っ張られる形で声出し役を務めた。「どこも痛いところはないですし、思い通りにできている」との思いを体現するように、笑いを取りながら、ハツラツとした姿でもり立てた。「僕たちも(開幕は)すごく待ち遠しい。その分、いっぱい楽しみを抱えて(開幕で)ドンッとはじけたい」。自信を深め、幕開けを待つ。【田中彩友美

▽日本ハム栗山監督(清宮に)「最後(サヨナラ打)は良かったけど、アイツが反省しないといけないことはいっぱいある。言いたいことはたくさんあるので、本人に直接言います」

▽日本ハム小笠原ヘッド兼打撃コーチ(清宮を体作りに取り組ませ)「キャンプを(故障などで)ずっとやっていないから、20歳くらいで、しっかり体を作らないとパンクしてしまう。守備も走塁も全部、継続してやっていけたら」

◆16年秋季東京都大会決勝の5打席連続三振 3番で出場した早実・清宮は、日大三・桜井の前に、1回と3回はスライダーで空振り三振。5回の第3打席は見逃し三振に倒れると、7回も外角低めのスライダーを振らされて三振に倒れた。1点を追う9回の第5打席、桜井の暴投でチームは同点に追いついたが、清宮はその打席も空振り三振に終わった。試合は続く4番野村(現ソフトバンク)の1発で早実がサヨナラ勝ちした。