亜大の最速150キロ右腕・内間拓馬投手(3年=宜野座)が日体大とのオープン戦に先発した。持ち前の力強い真っすぐを中心に投げ込んだが、フォームが安定せず。8回を投げ、1本塁打を含む5安打3失点。課題の残る内容だった。

初回、先頭打者に左前打を打たれると、いつもと違う感覚に、首をかしげた。続く打者はツーシームとスライダーで遊併殺と左飛に打ち取りピンチを切り抜けたが、内間は「フォームがいつもと違って試合中に何とか修正しようとしたんですが…。調子がよくなかったですね」と反省。体が外に開いてしまい、体重がうまく下半身に乗らない。この日の最速は147キロだったが、打たれた球はすべて真っすぐ。持ち味を生かせなかった。

2月に行われた鹿児島キャンプでのオープン戦では不調が続いた。失点を重ね「投げるのが怖かった」と振り返る。キャンプ終了後、原点に戻った。トレーニングから上半身と下半身が連動するフォーム作り取り組んだ。感覚を少しつかみつつある中での、先発登板だった。「いい時は、下半身の感覚がしっくりくる。もう1度、見直したい」と前を向いた。

昨年は最速150キロの力強い真っすぐを評価され、大学ジャパンに選ばれるも結果を残せなかった。秋のリーグ戦では1戦目の先発の座を後輩の松本健吾投手(2年=東海大菅生)に譲る、悔しい1年を送った。この日、視察した日本ハムの坂本晃一スカウトは「去年は試行錯誤していたが、ひと冬を超えて、安定感が出てきた。今はフォームを固める次のステップまできたかな」と温かく見守った。

「チームメートから信頼されるようになってリーグ戦開幕を迎えたい」と再調整を誓った内間。試合が終わると、1人、外野を黙々と走り始めた。この春、再びエースの座へ返り咲くために。内間の孤独な戦いは続く。【保坂淑子】