プロ野球独立リーグ、BC新潟は22日、長岡市内でトレーニングした。高卒ルーキーの田村颯瀬(はやせ)投手(18=東京学館新潟)は、初のBCリーグ開幕(4月11日)を心待ちにしていた。投球練習では40球投げ、好調な調整ぶりを見せていた。

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捕手の斎藤優乃(ゆうだい=20)の構えるミットが乾いた音を鳴らし続けた。田村が繰り広げた投球練習だった。捕手を座らせ、40球を投げ込んだ。球種を増やすために練習しているフォークも試した。初の開幕を待つルーキーの目標はあえて高めに設定されている。「投げた試合の7、8割は勝ち投手になりたい。0-0の状態から投げる方が張り切れる。15勝はしたい」。「15」は昨シーズンのBCリーグ最多勝利と同数だった。

19年夏に県大会準優勝した時の東京学館新潟の背番号1。田村は高校で急成長した投手だった。入学時の1年夏は直球の最速124キロ。3年春に131キロを記録し、同夏の準々決勝・中越戦で自己最速の141キロをマークした。高校から始めたウエートトレーニング、チューブトレーニングでパワーを養った成果。高校入学時の体重88キロも、高校2年で78キロに絞られ、再び筋肉をつけた。現在は84キロ。「今シーズン中に直球の速度を147~8キロにアップさせたい」と伸び盛りは話した。

オフは後輩たちにまじって高校の練習に参加し、準備した。チームは14日に長岡市内でキャンプイン。新潟市の実家から連日、練習会場に通う。起床は午前5時半で、1年先輩の阿部裕二朗外野手(19)が運転する車に同乗させてもらった。そんな日常を繰り返し、ルーキーシーズン開幕に備える。今月8日に18歳の誕生日を迎えたばかりの新人投手は「10代のうちにNPB入りを決めたい」と夢をふくらませていた。【涌井幹雄】

◆田村颯瀬(たむら・はやせ)2002年(平14)3月8日生まれ、新潟市出身。東京学館新潟出身。野球は東曽野木小3年から曽野木サンダーシップスで開始。曽野木中では軟式野球。高校では1年夏からベンチ入り。左投げ左打ち。175センチ、84キロ。背番号17。