飛躍の2年目へ-。右太もも裏の肉離れから12日に実戦復帰した巨人山下航汰外野手(19)が28日、川崎市のジャイアンツ球場で行われた練習に参加。練習内で実施した2軍対3軍の紅白戦に2軍の「3番左翼」で出場すると4打数3安打2打点と活躍した。

原監督も見守る中結果を残し、1軍本隊が再始動する4月5日から昇格することが当確となった。昨季支配下登録を勝ち取り、イースタン・リーグ首位打者に輝いた19歳が、スタートラインに戻ってきた。

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ゆったりとしたフォームから持ち前のフルスイングで鋭い打球を放った。山下は7回2死一、三塁で迎えた第4打席、3軍3番手直江の変化球を左中間へ打ち返した。この日3安打目となる2点適時打に「素直にうれしいです」と、19歳らしい笑顔で喜んだ。

高崎健康福祉大高崎から18年育成ドラフト1位で入団。昨季はイースタン・リーグ初の高卒新人での首位打者を獲得し、今キャンプ前には原監督も一塁のレギュラー候補として期待していた。しかし台湾ウインターリーグ中に負った右太もも裏の肉離れの影響もありキャンプ2軍スタートと出遅れていた。

リハビリ中にも自慢の打撃に磨きをかけた。オフにジャイアンツ球場で行った自主トレでは、丸に弟子入り。“師匠”が球場に到着する前にジョギングなどを済ませ、午前中はマンツーマンの打撃練習で技術を吸収した。食事を挟んだ後も「午前中にやったことの確認をしたいんです」と1人納得するまで振り込んだ。

新型コロナウイルスの影響で開幕は延期となったが、プラスに捉える。母校が出場を決めていたセンバツも中止になり「残念です」と話したが、回復の時間は十分に取れた。原監督は「今度また集合する4月5日から(1軍に)合流する可能性は出てきましたね。一発で仕留められているってとこは価値はありますね」と評価。1軍選手としてテレビ中継で後輩たちを勇気づけるチャンスだ。

打球こそ飛んでこなかったが、左翼守備でもバックアップなどを軽快にこなし万全の状態をアピール。初の開幕1軍に向け「体はもう問題ない。(打撃でも)もう少し質を上げられるように頑張ります」と先を見据えた。開幕まで全力プレーを続け、遅れを取り戻す。【久永壮真】