3月21日、慶大とのオープン戦(慶大グラウンド)に先発した仙台大・宇田川優希投手(3年=八潮南)は、5回を1安打2失点7三振に「調子が戻ってきた」と笑顔を見せた。11日のロッテ2軍戦で4回4失点しフォームを修正。「ための時に右膝が前に出すぎて力が逃げていた。修正して球速も戻りフォークのキレも出てきた」と手応えをつかんだ。

大学で成長した。元ロッテの坪井俊樹投手コーチは「まずは器を大きくすることを目標に組み立てた。出力が大きくなれば球も速く強くなりますから」と育成した。食事とトレーニングで入学時76キロの体重を、約1年間で90キロに増やすと2年秋には最速152キロを記録。持ち前の体の柔らかさに強さが加わった。球持ちがよく、肩が開かない。タイミングが取りにくいフォームが完成。1年夏に覚えたフォークを武器にリリーフエースに成長した。

ようやく才能が開花した。フィリピン人の母を持ち、小3で2つ上の双子の兄の影響で野球を始めると「家でゲームをやるよりも野球が好き」と毎日、1人で日が暮れるまで壁当て。制球力を磨いた。「今年は優勝したい」と初の全国大会出場を狙う右腕。今年は全国から熱い視線を浴びるはずだ。【保坂淑子】