ソフトバンク担当記者による随時連載企画「期待しタカ~」。第2回は和田毅投手(39)をピックアップ。昨年は左肩痛を乗り越えて2年ぶり白星を含む4勝を挙げたベテラン左腕だが、優勝を許した西武には2度の登板で2敗、防御率13・50と打ち込まれた。完全復活して1年間ローテーションを守るためにも、「苦手克服」が鍵となりそうだ。

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和田はここまで順調に調整し、文句なしの開幕ローテーション入りを確実にしていた。それだけに、開幕日がいまだに見えず、チームも活動休止となっている現状が歯がゆいだろう。それでもチームでは誰よりも経験豊富なベテランだ。どんな状況でもきっちりと合わせて完全復活した姿を見せてくれるはずだ。

昨季は交流戦の巨人戦で2年ぶり白星を挙げたほか、4勝をマークした。さらにステップアップし、今季は「1年間先発ローテーションを守る」ことが大きな目標となっている。そこで鍵となるのが「苦手チームの克服」だ。和田に以前、話を聞くと「去年はいい状態で1年間投げ通したわけではない。1年間投げ続けるためには、どのチームに対しても投げられるようにしないといけない」と話していた。

昨季はパ5球団すべてを相手に先発したが、最も苦手にしたのが西武だった。

◆19年和田のパ球団別成績

相手 先発数(勝-敗)防御率

西武 2(0-2)13・50

楽天 2(1-0)0・00

ロッテ 1(0-1)4・15

日本ハム 2(1-0)2・70

オリックス 2(1-0)2・70

西武とは7月の初対戦で5回途中4失点KO。4回まで無失点だったが、5回に一挙4点を失った。2度目は8月に対戦し、初回に5点を奪われるなど2回6失点でマウンドを降りた。いずれもビッグイニングを作られ、一気に攻め立てられる形になっていた。

和田は西武打線を「どこからも切れ目がない。ホームランを打てる選手でも、走者を進める打撃ができる。チームとして完成されている印象がある」と分析していた。その上で「やられた印象しかない。今年は違うぞ、と思わせる投球をしたい」とリベンジへの強い思いがある。無事に開幕を迎えた時に、強力な西武打線をきりきり舞いさせる和田の姿が見たい。【ソフトバンク担当・山本大地】