ソフトバンク担当記者による随時連載企画「期待しタカ~」。第4回は昨季抑え込まれたオリックス山本由伸投手(21)攻略のキーマンとして松田宣浩内野手(36)に期待する。今季も開幕ローテを確実にしている右腕との対戦は、リーグ優勝には通れない壁となる。ベテランのバットで勝機をたぐり寄せたい。

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リーグV奪回と4年連続日本一に向けて、避けては通れない強敵がオリックス山本だ。昨年は開幕から3度目の対戦までは24イニングで1点も奪えなかった。シーズンを通して7度対戦して山本の3勝2敗。対戦防御率は2・25だったが、直球、カットボール、フォークとどれもが一級品の決め球を絞り切れなかった。10打席以上対戦した主力打者で打率3割以上は内川ただ1人。チーム全体で打率1割8分5厘と苦手にした。

◆オリックス山本との対戦打率(10打席以上、カッコ内は打数-安打)

内川 3割(20-6)

牧原 0割5分(20-1)

松田宣 1割5厘(19-2)

デスパイネ 2割1分1厘(19-4)

今宮 0割5分9厘(17-1)

明石 1割8分8厘(16-3)

甲斐 2割6分7厘(15-4)

グラシアル 1割8分2厘(11-2)

中でも打率1割0分5厘、7三振と打ちあぐねた松田宣が攻略のキーマンになると見ている。昨季4度目の対戦だった7月5日(ほっともっと神戸)は、山本から今季初得点を奪い、黒星を付けた。1点を追う4回に勝ち越し打を放ったのが松田宣だった。

この試合は立花打撃コーチのもと「真っすぐ、カット、フォーク。どのボールもいいから、球種も絞らないといけない。カーブがきたらごめんなさい」と球速の遅いカーブを完全に捨てることで対応。打った松田宣も「自分の中で、球種を少なく。速い球か遅い球という感じで、絞っていった」と明かしていた。好投手を打つお手本のような攻め方がはまれば、苦手意識は減っていくだろう。経験豊富な松田宣を中心に、エース崩しに期待したい。【ソフトバンク担当・山本大地】