広島上本崇司内野手(29)が23日、マツダスタジアムでの練習後に「反骨心」を胸に日々取り組んでいると明かした。

これまで内外野守れるスペシャリストとして存在感を発揮してきた。しかし、昨年まで紅白戦などでも出場が守備のみに終わることが多く「思い返してみると悔しかった」。昨季は31試合に出場し、ほとんどが守備固めや代走での起用だった。

「反骨心ですね」。悔しさをバネに、昨秋から打撃練習の取り組みを変えた。会沢らの助言もあり、ヘッドの使い方を意識し、ボールの内側からバットを振り込むことを徹底。マシン打撃では体を少し開いた状態で、ボールの内側にバットを出している。「内から入っておけば、ちょっと遅れてもファウルにできる。ファウル目的ではないですけど、良い打球も打てるので」。ティー打撃も同様に体を開き、高めの球を打つ。加えて体を閉じた状態で、内角高めの球を打つようにしている。「遊び感覚で、自然に身につけるようにやっています」。これらをルーティン化することで、自分の中に意識付けしていく。

効果は徐々に現れ、春季キャンプから打撃は好調を維持している。オープン戦8試合で9打席と少ないチャンスの中、4打数3安打2打点と結果を残した。3月の練習試合も5試合で13打数5安打とアピールを続けた。打席に立つ機会が増え「うれしい。朝山東洋さん(打撃コーチ)も(春は)打席に立たせないことはしないと言ってくださった」。上本の理想は「打って出塁」。ハングリー精神で猛アピールしていく。【古財稜明】