日刊スポーツの名物編集委員、寺尾博和が幅広く語るコラム「寺尾で候」を随時お届けします。
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世界で先んじてプロ野球が開幕したのは台湾で、韓国が5月上旬に続く。いずれも新型コロナウイルス感染拡大防止を考慮し、無観客での開催だ。
日本は23日にJリーグと連携する対策連絡会議を終えた斉藤コミッショナーから「連休明けぐらいには決めたい」と方向性が示された。
すでにセ・パ交流戦の中止が決まって、試合日程は複数パターンのシミュレーションが行われている。日本シリーズまではこぎつけたいところで、いずれにしても「短期決戦」になる。
そうなれば優勝のポイントが“立ち上がり”にあるのは間違いない。いかに開幕ダッシュをかけるかに比重を置くのは、どのチームも同じだろう。
実際、19年のセ・リーグは巨人がほぼ首位をキープして優勝した。3連覇した広島の16年は開幕直後は2位も、6月から独走態勢を固める。17、18年も春先の好スタートが効いた。
パ・リーグは、1度も首位の座を譲らずゴールした18年の西武の例もある。現状で100試合までのレギュラーシーズンとなれば先手必勝はなおのことだ。
創設85周年の阪神にとっても開幕ダッシュは15年ぶりのリーグ優勝への絶対条件。それは2リーグ分立後にリーグ優勝した年の「開幕月(3、4月)」の戦績を見ても明らかだ。
◆62年(藤本定義) 10勝8敗0分け
◆64年(藤本定義) 17勝13敗0分け
◆85年(吉田義男) 9勝3敗1分け
◆03年(星野仙一) 17勝10敗1分け
◆05年(岡田彰布) 13勝12敗1分け
※カッコ内は当時監督
セ・リーグを制した5度の優勝は、すべて勝ち越しを決めた。阪神にとって開幕ダッシュは優勝確率を100%にする“Vへのノルマ”と言える。
昨季の3、4月を戦った阪神は13勝14敗1分け。「平成」の最後は3連勝で5月1日から新時代に突入し、最後は滑り込みの3位だった。今年はいかなる戦いを見せるのか。
あれから1年の歳月が流れた。「令和」を公式に英訳すると「Beautiful harmony(美しい調和)」というらしい。令和2年の開幕が平和に訪れることを強く望む。
◆03年の阪神 星野監督2年目の阪神は、大型補強を敢行。金本、伊良部、下柳、ウィリアムスらが加わった。大改造されたチームは開幕から飛び出し、7月8日には球団最速の優勝マジック48が点灯した。長期ロードでは4勝11敗とやや暗雲が漂ったが、ロード明けの7連勝で再び波に乗った。9月15日デーゲーム広島戦に勝ち、マジック1に。その後ヤクルトが敗れ、18年ぶりセ・リーグ優勝が決まった。エース井川が20勝でMVP。今岡が3割4分で首位打者に輝いた。正捕手の矢野は3割2分8厘で打率3位に入った。



