平成の怪物が、大きな声を上げた。西武松坂大輔投手が夏の甲子園中止を受けコメントを発表。98年横浜で春夏連覇達成した。その舞台をウイルスに奪われた高校球児のため「従来の形の地方大会でなくとも、仲間と積み上げた日々を証明する舞台を用意してもらいたい」と提案。さらに「インターネット上のグラウンド」で動画配信という画期的アイデアを展開した。

アルプススタンドに囲まれた黒土でプレーできないなら、別の舞台を用意してあげたい。それは代替開催とは限らない。「例えば各都道府県の高野連が許可した上で各学校から送られた動画をのせる。学校のグラウンドでの取り組みを『インターネット上のグラウンド』で紹介することは出来ないでしょうか」。球児の気持ちになって新たな道を率先して模索し提言した。

身動きが取れないプロ野球スカウトに限らず、大学、社会人野球関係者の目に留まる可能性はある。「これは1つのアイデアであり、本当にちっぽけなことです」。それでも声を大にしたのは、甲子園を誰よりも知るからこそ。「もし、自分がその立場に身を置いた事を考えると選手の皆さんに掛ける言葉は正直、見当たりません。甲子園というものは、それだけ大きな存在です。ただ、選手の心に寄り添い、アイデアを出し、実行することは大人に出来ます」。重く、革新的な言葉を発信した。