阪神秋山拓巳投手(29)が5回4安打無失点、無四球と好投し、開幕ローテーション入りを確実にした。立ち上がりはややボールが浮つくも、1回1死一塁から3番ピレラ、4番鈴木誠の主軸をカーブで連続三振。3回には1死一塁から菊池涼を外角球で狙い通りの投併殺に仕留めると、4回はクリーンアップを3者凡退。捕手坂本とのコンビネーションもさえ渡る納得の69球だ。

「回を追うごとにボールが操れたので全体的には良かった。ストレートはいい高さに投げていけるようになったし、カーブも有効的に使えるようになった」

2月の沖縄から無失点ピッチングを続けている。宜野座キャンプ中の2月8日中日戦で初回に2失点したが、その後は22イニング連続無失点。対外試合は3月21日の練習試合・ヤクルト戦(神宮)以来、75日ぶりとなったがブランクを感じさせず無失点を継続した。

左の軸として期待された3年目高橋がコンディショニング不良で開幕ローテーションは絶望的。混沌(こんとん)としていたローテ争いだが、練習試合の広島3連戦に先発した青柳、ガンケル、秋山がそろって結果を出した。これで開幕投手の西勇を含む先発4枠が埋まった形だ。

頭を悩ましていたであろう矢野監督も孝行息子の快投に自然と笑顔になった。「こういうピッチングが出来るのは秋山の幅にもなる。低めにキレのある球を投げられているので順調に来ていると思います」。もちろん、秋山も開幕に向けて「ローテでしっかり回るという気持ちで、与えてもらったところでやる」とやる気十分だ。指揮官はこの日、スアレスの中継ぎ再転向を明言。残り2つとなった先発枠を、岩貞、ガルシアらが争うことになる。