開幕G倒へ視界良好だ。開幕投手に決定している西勇輝投手(29)が、5回を5安打2失点にまとめ、6月19日の巨人戦(東京ドーム)に向けて順調ぶりをアピールした。

「自分の試したいことや、やりたいことはできたと思います。今日の登板を踏まえて、これから開幕に向けて自分がやるべきことも改めて明確になったので、収穫は多かったです。いい登板だったと思います」。3月20日ヤクルトとの練習試合(神宮)以来の対外試合。結果よりも内容が収穫だった。

初回に先頭の上林を高めの直球で右飛に打ち取ると、続く周東はボールゾーンから入ってくる内角低めの直球で見逃し三振。抜群のテンポの良さで1回、2回をわずか16球で無安打に抑えた。3回2死二塁から上林に先制の中前適時打、4回には柳田に同点ソロ本塁打を浴びたが、連打は許さず。開幕が3カ月延期になっても、落ち着いたマウンドさばきは不変だった。

5月29日の紅白戦は2回2安打無失点。試合終了後に「次の練習試合から試合モードのつもりで、できたらいいなと思います」と話していた。この日、3回無死一塁の場面では一塁走者の栗原へ4連続でけん制を入れた。5回には甲斐の強烈なピッチャー返しを危なげなく捕球し、持ち前のフィールディングも披露。実戦感覚を維持していた。

矢野監督は開幕が延期になっても開幕投手を変えなかった。「(失点が)1点、1点の投球ですし、西らしさというのもしっかり出ている部分もありました。5回までしっかり行った。球数も少なく西らしく行きましたし、順調に来ていると思います」と全幅の信頼を置く。

次回12日のオリックスとの練習試合(京セラドーム大阪)を経て、19日の巨人との開幕戦(東京ドーム)に向かう見込み。異例のシーズンへ調整は最終段階に入る。【磯綾乃】