中日のダヤン・ビシエド内野手(31)が7回、西武3番手の平良から死球を受け、ヒヤリとさせた。157キロのストレートが左脇腹をかすめ、代走武田が告げられた。3回には本塁打を放つなど打撃絶好調。4番のあわやのシーンにドッキリだったが、打撲レベルで大事には至らないもようだ。

その瞬間、一塁側ベンチが凍り付いた。主砲が打席で動けず、トレーナーが駆けつける。主砲に万が一のことが起きれば一大事。だが、ビシエドはナインを安心させるかのように笑顔を見せ、一塁に向かって歩き出した。代走が告げられたが、これもこの打席までが出場予定だったもの。試合後、「当たった瞬間は痛かったけど、いまは大丈夫だよ」と話した。

2日に再開した練習試合は5試合すべてで安打を放ち、15打数7安打。打率・467で打点は4。右中間にたたき込んだ本塁打は2日のヤクルト戦での2発以来の3本目だ。「完璧な当たりだった。1試合ごとによくなっている」と自身で手ごたえを語るように、3冠も狙える充実ぶりを示していただけに、最悪の事態が起きていたら大変だった。

選手の故障を何より心配していた与田監督は「問題ないと思います。明日にならないとわからないところもあると思いますけど、今のところ打撲程度のことなので問題ないと思います」とホッとした表情。本人は「いい形の打席が多くなるように1日1日やっていきたい。公式戦でいいスタートが切れるようにしたいね」と球団広報にコメントを託して、球場を後にした。【安藤宏樹】