巨人は12日、新型コロナウイルス陽性判定を受けた坂本勇人内野手(31)大城卓三捕手(27)が退院したことを発表した。実戦復帰の時期は未定だが、2選手は球団を通じてコメントを発表した。

坂本 今は1日でも早く試合に戻ることだけを考えています。ファンの皆さんにいいプレーをお見せできるように全力で頑張ります。

大城 ファンの皆様にはご心配をおかけしました。入院中の時間は、野球のことばかり考えていました。早く戦力としてチームに戻れるようトレーニングします。

2選手は5月下旬に新型コロナウイルス感染歴を調べる抗体検査を受けた結果、感染後に回復したことを示すIgG抗体が確認された。慎重を期すために6月2日にPCR検査を実施。3日に陽性が判明し、同日から入院した。

入院後は3日夜、5日午前に都内の医療機関でPCR検査を受け、ともに陰性判定を受けた。さらに6日には大学の研究機関で、3回目のPCR検査を実施。2選手とも陰性判定を受け、回復したことを示すIgG抗体が検出された。同研究機関では同日採取した2選手の検体について、PCR検査以上に精度が高いとされる「ウイルス分離検査」を12日午前までに5日以上実施した結果、ここでも陰性と判定された。

管轄の保健所は5日、厚生労働省の通知における無症状の陽性判定者にあたるとして、15日までそれぞれ入院を延長するように勧告していた。症状が出た陽性判定者が、症状が軽快していれば、10日以内でも、2回のPCR検査の陰性判定で退院できると定められている。その一方で、無症状の陽性判定者「PCR検査で陽性になった献体を採取してから、14日間経過しないと退院の基準をみたさない」とされていた。保健所からは、それに基づき2選手のように健康でPCR検査で3回連続陰性判定が出たとしても退院は不可能であると説明があった。

だが、政府の専門家会議の複数の委員から「症状が出た陽性判定者よりも入院が長くなるのは妥当とは言えないのではないか」と疑問視する声が挙がり、厚生労働省は基準の見直しを検討。退院基準を従来の14日間から、陽性判定を受けた献体の採取日から10日間とする基準の緩和を決定した。