16日に対戦を残す巨人とロッテを除くプロ野球10球団が、14日で練習試合を終了。19日の開幕に向け、12球団の監督が戦いを振り返った。

巨人 原監督、相手の左右で「ツープラトン」起用視野

巨人は練習試合10試合で10通りの打線を組んだ。

各選手の状態を見極めた原監督は「例えば(相手投手の)左、右でツープラトン的なことも考える必要がある。春先は6、7人は固定化したメンバーでという理想はあったけど、現時点では全体の力を見ながらオーダーを組んだ方が総合力は上がる」と柔軟に対応する考えを示した。

課題の1番は吉川尚、亀井、パーラ、増田大、重信、5番はパーラ、亀井、石川を起用。坂本、大城を欠く中で「キャンプから1番と5番は重要と言ってきた。2人がいない中、いろいろ試せたのは良かった」と言った。

巨人原辰徳監督
巨人原辰徳監督

DeNA ラミレス監督、中継ぎ陣評価「キープして」

DeNAアレックス・ラミレス監督は安定した中継ぎ陣に「全体的に非常によくやってくれた。この調子をキープして、ケガせずにやってくれればと思います」と期待を込めた。

特に打者計16人を1安打に抑えた平田を「素晴らしい活躍をしてくれた」と高評価。また開幕時に80%の仕上がりを求めていた先発陣にも「全体的に80%くらいの状態には上げてきている思う」と納得の表情だった。コロナ禍で異例の120試合の短縮シーズンとなるが「1試合1試合『デイバイデイ』で、しっかりプレーしていくだけです」と目の前を見据えた。

DeNAアレックス・ラミレス監督
DeNAアレックス・ラミレス監督

阪神 矢野監督は競争激化で手応え「強くなっていく」

チーム内の競争が激しくなり、阪神矢野燿大監督は手応えをつかんでいる。「誰が出ても大きく戦力が変わるということはない。競争は1年間続く。チームが強くなっていくと思う」。

投手、野手ともに激しいポジション、役割争いは続いており、チーム力のアップの原動力となる。もちろん、コロナ禍により、難しい調整は強いられた。「特に投手は投げる回数が少ないので、その中からどう判断していくかというのもあった。でも一通りやれることはやれた。開幕迎えるにあたって、大きな不安がある感じではない」と言い切った。

阪神矢野燿大監督
阪神矢野燿大監督

広島 佐々岡監督「数そろった」開幕ローテ投手に自信

広島佐々岡真司監督は開幕ローテーション投手に自信をのぞかせる。「長い準備期間でやってきたことを出していきたい。春の段階では九里、遠藤、床田は調子が上がらず不安があった。調子が上向いたことはプラス。数がそろった」。

守り勝つ野球を目指す上で、先発陣がカギを握る。14日の最後の練習試合は3失策が絡む敗戦も「悪いところが出たと反省して、残りの練習、3日間で気持ちを引き締めたい。長いシーズン切り替えが必要になる。1試合1試合やるだけ」と前を向いた。初めて指揮を執るシーズンへ気持ちを高める。

広島佐々岡真司監督
広島佐々岡真司監督

中日 与田監督、大島4戦欠場も「慎重を期しただけ」

中日与田剛監督は「大きなケガ人が出なかったことが一番ホッとしたところじゃないか」と胸をなで下ろした。

ベテラン大島が下半身の張りでこの日までの4試合を欠場したが「いつでも試合に出られる状態。慎重を期しただけで問題ない」と説明。現有戦力で開幕を迎える。コロナ禍による自粛期間中は「3密」を避けるため時間をずらして2人1組での自主練習を行った。コーチ陣からの指導もソーシャルディスタンスを徹底。「新型コロナに発症した人間がいない。スタッフ、選手みんなに感謝している」と話した。

中日与田剛監督
中日与田剛監督

ヤクルト 高津監督4連敗で終了も「覚悟できている」

ヤクルト高津臣吾監督は、村上宗隆内野手らけが人が復帰した延期期間を前向きにとらえた。

1番に出塁率を重視し坂口、2番山田哲、そして青木、村上と強力打線を組む。しかし雨天中止をはさみ4連敗で実戦を終え「もうちょっと時間がほしかったというのが正直なところ」と本音も。

課題の投手陣では、新加入の速球派左腕長谷川が勝ちパターンに。新外国人イノーアが開幕ローテに入るなど再建が進む。「僕は腹をくくって、戦いに挑む覚悟ができている。心も体もしっかり準備したい」。シーズンを戦いながらチーム力アップを狙う。

ヤクルト高津臣吾監督
ヤクルト高津臣吾監督

打撃成績