プロ3年目で初の開幕ローテーション入りが確実となった中日の山本拓実投手(20)が17日、2ケタ勝利を目標に掲げた。開幕第2戦の20日ヤクルト戦(神宮)の先発が濃厚な右腕は「開幕1軍入りしたら、相手がどこであろうとバッターに向かっていく自分の投球をするだけ」と話した。

18日の東京移動を前に、山本はナゴヤドームでの最終練習でブルペンに入らず、キャッチボールで終えた。昨年、9試合で3勝をマーク。高卒2年目にして飛躍のきっかけをつかみ、初の開幕1軍どころか、先発の一角を担う立場にまで自らを高めた。

「昨年は1試合1試合必死だったので、今年は1年間しっかり投げられるように準備もできました。開幕ローテに入れても、今からがスタートだと思うので、気を抜くことなく、1年間駆け抜けられればいい。2ケタ勝ちたい」。目標も明確にした。

開幕前に設定された練習試合の先発では、6日の西武戦で4回に4失点。「練習試合が再開してから調子が上がってこないなというのは感じていたので、シンプルに打者に向かっていくことを意識した」。その結果、13日DeNA戦は5回完全。最速149キロのストレートと自らスラッターと名付けたスライダーで毎回の6奪三振。「十分なピッチング」と与田監督をうならせ、自身は「開幕に向けていい手ごたえがつかめた」と自信を深めた。167センチの右腕が強力投手陣の柱として、セ界制覇の旅に貢献する。【安藤宏樹】