日本ハムの変則右腕が、合格点のデビューを飾った。横手投げのドラフト4位、鈴木健矢投手(22)が、23日楽天戦でプロ初登板し1回無失点で切り抜けた。

出番は8回。4点ビハインドの展開も、緊張で地に足が付いていなかった。「ずっとブルペンでそわそわしていました」。秋吉、公文ら先輩から「行ってこい」と背中を押され、夢の舞台に立った。「意外と震えそうになっていました」と、ルーキーの醍醐味(だいごみ)を、目いっぱい味わった。

緊張感を、力強く振り払った。先頭島内を2球で追い込んだが、フルカウントまで7球粘られた。「逆に開き直りました」。最後は武器である、深く沈む126キロのスライダーで見逃し三振。続くロメロに左翼線二塁打を浴びたが、心掛けていたのは「ルーキーらしく、腕を振って」。2死二塁で、太田を3球三振に抑えると「ふぅ」と息を吐いた。奪った三振2つともスライダー。無失点デビューを果たした。

チームの新人では、デビュー一番乗り。栗山監督は「いろいろ心配していたけど良かったね」と、ひと安心だった。24日にはドラフト1位河野が先発する。鈴木健は「自分の投球を見て、頑張ってもらえたら」とニヤリ。サングラス姿に特徴的な投げ方は、今年の新人の中でも注目度は高い。「今日みたいな負けている場面でも、勝っている場面でもしっかり自分の持ち味を出せるように頑張りたい」。敗戦の中、可能性に満ちたルーキーが光った。【田中彩友美】