頼れる4番や! 阪神大山悠輔内野手(25)が、今季初のV打点を含む3安打2打点の活躍。前日の逆転負けのショックを払拭(ふっしょく)し、カード勝ち越しを決めた。

ゼロ行進が続いた6回。2死二塁のチャンスで打席に入った。大山の名前が入ったタオルを広げて応援してくれるファンの姿を目にして、声援を力に変えた。カウント2-1から平良のシンカーを巻き込むように引っ張り、レフト前へ運んだ。先制の一撃は、今季自身初の決勝打にもなった。岩貞と並んでお立ち台に上がった大山は「サダさん(岩貞)が本当に一生懸命投げてくれていたので、なんとか助けられてよかったです」と振り返った。岩貞が先発した試合では、今季10打数6安打。左腕にとって心強い援軍となっている。

それだけでは終わらない。8回2死二塁で、3番手パットンの変化球をとらえ、鮮やかに右翼へ打ち返した。「1点でも多くという意味では2点目のタイムリーが大きかったですし、勝ててよかったです」。スアレスが9回に1点を失ったため結果的に決勝点となる貴重な一打だった。初回に中前打も放ち、今季初の3安打猛打賞。6試合連続ヒットとバットはキレキレだ。

マルテの故障で巡ってきた4番を5戦連続で務める。矢野監督も「中身のしっかりある打席が本当に多いですし、あの場面で打つというのが、中心打者、4番打者といわれるような、中身のしっかりあるような打撃。追加点の場面でも素晴らしかったですし、本当に心強く、頼もしく見ています」と絶賛した。

昨季は開幕から4番を任されたが、不振で8月に外れた。そんな経験も糧になる。「今は去年どうこうよりも1試合1試合、必死にやるだけ」と大山。今だけを見つめ、バットを振り続ける。