阪神オネルキ・ガルシア投手(30)は、聖地での先発初勝利をまたもつかめなかった。「初回以降何とか粘れていたけれど、最後のイニングを踏ん張ることができなくて悔しい」。粘って6回6安打4失点。今季初勝利もお預けで、打線の奮起で黒星が消えたことがせめてもの救いだった。

初回に先頭坂口からの連打などで2点失った。2回から無失点で踏ん張り、5回の攻撃ではひやりとするアクシデントが起きた。先頭打者で意表を突くセーフティーバントを三塁前に転がした。全力疾走で内野安打としたが、直後に左足を痛がるそぶりで顔をゆがめた。矢野監督や福原投手コーチが駆けつけたが、ガルシアは交代しなかった。

雨脚が強まった5回終了後から32分間中断となったが、6回も気合の続投。しかしテンポ良く2アウトを奪った後、山崎に四球を出してエスコバーに対して1ボールからボークを宣告された。2死二塁から最後は高めに浮いたツーシームを捉えられ左中間への2ランを許した。福原投手コーチは続投について「尻上がりに良くなっていたし、ガルシアも難しい状況の中で気持ちを切らさずに準備してくれたので、なんとかあの回を粘って抑えてくれたらと思っていました」と説明した。

甲子園では昨季終盤にロングリリーフとして3連勝を挙げたが、先発試合に限ると、これで中日時代から10試合で0勝3敗と不思議と勝ちに縁遠い。奮闘した左腕が、聖地で浮かべる笑みを次こそ見たい。【磯綾乃】