ソフトバンク工藤公康監督(57)の執念も実らなかった。2点を追う9回1死二塁。栗原の左翼線への当たりで1点を追加したが、二塁を狙った栗原がアウトの判定。すぐさまリクエストを要求したが判定はくつがえらなかった。「走塁については積極的にいったことなので悪いことでない」。昨年8月14日以来となる6連勝に、あと1歩及ばなかった。

収穫はあった。先発バンデンハークが来日最短の3回途中4失点で降板も、その後の3投手が無失点でしのいだ。2年目右腕の板東は、14日にプロ初登板を果たしたばかりだが6回まで無失点。7回1死一、三塁のピンチで登板した3番手川原も絶体絶命のピンチも後続を断った。8回は泉が無失点。「板東くんは良かったね。2軍で先発していたし球数も問題なかった。川原くんもしっかり相手を追い込んでいたし、追加点を許さなかったのは良かった」。中継ぎの粘りはかならず次につながる。

先発で2被弾のバンデンハークについて、試合前から背中の張りがあったという。工藤監督は「球速も出ていなかったし、おかしくならないうちに、と思って早めに替えた」と説明。次回以降の登板については「状態を見てから」と話した。

「3連戦と思えば、また明日から3連戦だし」。6連戦を分けて考える工藤監督は、気持ちを切り替えた。連勝は5で止まったがチーム状態は悪くない。「後半3連戦」で再び勢いを取り戻す。【浦田由紀夫】