反省を即、次に生かす。高い対応力が「スピード出世」を支えている。阪神の新助っ人ジェリー・サンズ外野手(32)が初めて3番起用され、貴重な2点二塁打で期待に応えた。

「長い人生、2番から8番まで打ってきた。早い打順で打つのは好きなんだ」

2番糸原のラッキーな内野安打が適時失策を誘い、天敵大野雄から先制点をもぎ取った直後。3回1死二、三塁、3ボールから外角ツーシームを逆らわず右中間に運んだ。

「1打席目みたいに引っかけると三塁ゴロ、遊ゴロになってしまう。ああいう打撃が理想的だったね」

1回2死では外角ツーシームを三ゴロ。2打席目で早くも修正できるクレバーさが頼りになる。

前夜のヤクルト戦は8回に同点弾を放ち、逆転勝利に導いた。一夜明け、今度はクリーンアップ初起用で5試合連続安打を決めた。

「慣れてきたのもあるし、打席を積ませてもらっていることも大きいね」

6月上旬の練習試合で調子が上がらず、開幕は2軍スタート。6月27日に1軍昇格後、昨季の韓国球界打点王が徐々に本領発揮の気配を見せ始めている。

甲子園まで観戦に訪れてくれるモーガン夫人と2人の息子が元気の源。前夜は本拠地初のお立ち台でトラッキー人形をゲットし、「1つだったら子どもたちがけんかになるから、早く2つ目がもらえるように頑張るよ」と冗談交じりに気合を入れ直していた。

2日連続のお立ち台こそお預けとなったが、今夜も貴重な働きぶりを披露。お土産の人形がなくても、子供たちがすねることはないだろう。【佐井陽介】