中日アリエル・マルティネス捕手(24)がチームの非常事態を救った。初の4番一塁で4回、巨人先発の戸郷から左翼席中段に2号ソロを放った。この回さらに京田も右翼へ本塁打を放つなど、戸郷KOへつながった。連敗を4で止め、最下位脱出に貢献した。

前日21日の試合で不動の4番ビシエドが巨人菅野から左腕に死球。病院に直行した。打撲の診断だったが、この日は大事を取って欠場。代わって「4番一塁」で起用されたのがA・マルティネスだった。

今月1日に育成契約から支配下登録され、わずか3週間で4番を任される事態となったが、厳しい状況が続くチームを活気づける効果満点の一撃。初のお立ち台では「みなさん、ありがとう」と日本語で感謝。「4番に起用していただき、ホームランも打ててうれしい。彼女も来ている。育ててくれたドラゴンズに感謝したい」と満面の笑みで話した。

昨年の2軍戦で経験のある一塁守備も無難にこなした。「ファーストの練習もしてきた。みなさんのおかげで無事守ることができてよかった」。ビシエド欠場という最大の危機に頼もしい救世主が現れた。【安藤宏樹】

中日与田監督(ビシエド欠場もA・マルティネスの1発などで連敗を4でストップ)「(ビシエドは)本人はいける感覚はあったのですが、大事を取って1日様子を見ようかな、と。あの1発は大きかったですね」