阪神近本光司外野手(25)が土壇場で意地を見せた。失策などで逆転を許した直後の9回裏に、チームを敗戦から救う同点タイムリー。打撃不振のため2戦連続でスタメンから外れ、この日は途中出場で結果を残した。2年目のジンクスに苦しむ近本の働きで延長10回引き分けに持ち込んだ。
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3時間46分のロングゲームを終えて甲子園のスタンドから温かい拍手が起こった。矢野阪神が執念の一丸野球で今季初のドローに持ち込んだ。2-3と1点を勝ち越されて迎えた絶体絶命の9回2死二塁。途中出場の近本が広島菊池保の3球目、136キロフォークに食らいつく。甲子園の雨を切り裂いた鋭い打球は、右翼線に転がり二塁走者が生還した。
近本 どんな状況であっても自分のやるべきことは変わらないです。あの場面ではランナーをかえすことが1番だったので、しっかりランナーをかえすことができて良かった。
意地だった。昨季セ・リーグ新人記録の159安打を放ったヒットマンだが、試合前まで打率1割8分2厘。極度の打撃不振から2試合連続でスタメンを外れていた。前日21日から定位置の中堅をベテラン福留に任せている。「2年目のジンクス」と戦う若武者が見せた9回2死からの反発力。指揮官も悔しさのなかに手応えありだ。
矢野監督 同点のタイムリーを苦しんでいるチカが打ったというのもチームとして意味がある。もちろん最後はサヨナラで決めたかったけど、みんなでチャレンジしてチーム全員一丸で戦う姿っていうのは伝わったかな。まあ、悔しいけど。
確かに敗色ムード濃厚だった。1点リードして迎えた9回1死二塁の場面。三塁大山が長野の三ゴロを一塁へまさかの悪送球。ボールは一塁手陽川のミットの上を通過し、無情にも一塁側カメラマン席に飛び込んだ。これで二塁走者がホーム生還。さらに1死一、二塁でスアレスが代打会沢に勝ち越しの左前適時打を献上。万事休すの状態から野手全員を使い切りドローに持ち込んだ。
5連勝の勢いはまだ止まっていない。矢野監督は「悔しいですけど、負けなかったというところに意味があると思う。打線の援護は早い回にしてほしいし、今日みたいに全員で戦っていきたい」と変わらぬ姿勢を貫く。日本シリーズに出場した14年以来となる6カード連続勝ち越しなるか。ベンチを含めた全員野球で白星をつなぐ。【桝井聡】



