663日ぶりの勝利を目指して先発した阪神藤浪晋太郎投手(26)は、7回途中4安打4失点、6四球で降板。2点のリードを許し、2番手望月にマウンドを譲った。5回まで無失点も6回に落とし穴。6番ピレラに逆転満塁本塁打を浴び、復活星とはならなかった。

セットポジションでの投球。初回、初球は151キロ直球から入った。先頭西川は遊ゴロに打ち取るも、2番安部から連打を浴びて1死一、三塁のピンチ。ここで4番鈴木誠を154キロ直球で詰まらせて遊ゴロ併殺に打ち取り、無失点で立ち上がった。

その裏に4番大山の先制2ランで援護点をもらった。2回は2四球で再び得点圏に走者を背負うも、後続を断った。3回は1番からの好打順を9球で3者凡退。4回も先頭鈴木誠を四球で出すが、5番松山を遊ゴロ併殺。この回も結果的に打者3人を8球で打ち取った。5回も7番会沢からを10球で3者凡退に退け、勝ち投手の権利を得た。

しかし6回は先頭西川に中前打を許し、1死から2者連続四球で満塁のピンチを招いた。5番松山は見逃し三振に斬るも、ピレラへの2球目だった。この日89球目、外角への154キロ直球を捉えられ、右翼ポール際に運ばれた。逆転の4号グランドスラム。ここまで粘ってきたが、一振りに泣いた。

続投した7回のマウンド。先頭の8番田中広を北條の失策で出塁を許し、代打野間には四球。無死一、二塁となったところで交代となった。7回途中4安打4失点、6四球。2点のリードを許し、2番手望月にマウンドを託した。

「先制点をもらった状況だったので、何としても自分自身で勝ちを呼び込まないといけなかったのですが、今日一番のターニングポイントで粘りきることができず、もったいない投球となりました。まだ負けが決まったわけではないので、ここから逆転することを信じてしっかり応援します」

1軍登板は先発した19年8月1日(甲子園)以来、357日ぶり。18年9月29日以来の勝ち星を目指したマウンドだった。昨年はプロ7年目で自身初めて未勝利と、悔しいシーズンとなった。背水の覚悟で臨んだ今季は3月下旬、新型コロナウイルスに感染。5月下旬には遅刻が理由で2軍降格となった。右胸の筋挫傷など試練を乗り越え、ようやくつかんだ1軍登板。期待の右腕の投球に注目が集まったが、悔しいマウンドとなった。