今季最多借金9の危機を6番のアリエル・マルティネス捕手(24)が救った。

ビシエドの適時二塁打で2-2同点に追いついた8回。なお2死一、三塁でショートへの決勝内野安打を放ち、逆転劇を完結させた。

代わったばかりの広島3番手菊池保の145キロ真っすぐをとらえ、三遊間へ強い当たりを運んだ。「格好いいヒットじゃなかったけど、いいヒットだった」。母国キューバ出身のビシエドとリナレス巡回コーチ(兼通訳)から、「バットに当てれば何とかなる」と助言をもらい、しっかり実行に移した。

7月1日に育成契約から支配下登録されてまだ1カ月弱。21試合に出場し、打率3割4分、2本塁打、10打点とバットで存在感を発揮し続けている。受けても1年ぶり先発の福谷を好リード。ディンゴ以来球団20年ぶりの助っ人捕手が、6回81球4安打無失点の復活快投をサポートした。

ヒーローインタビューが終わろうとした時、マイクを奪って流ちょうな日本語で締めた。「ちょっと待って! ドラゴンズファンのみなさん、応援ありがとうございます」。助っ人の大奮闘で最下位を脱出。竜の再浮上に、この男の活躍は欠かせない。【伊東大介】