広島が序盤2回に野選と失策が絡む拙守で4位浮上を逃した。

エース大瀬良大地投手(29)が先発した一戦で、1死二、三塁から守りのミスが連鎖した。あっという間に3点を失い、大瀬良は3回5失点で降板。打線は中盤以降、足を絡めるなど粘り強く追い上げたが、序盤の大量失点が最後まで大きく響いた。

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点差が縮まれば縮まるほど、1点の重みが感じられた。最大5点差から4回に1点を返し、5回は打者9人がつないで3点を奪った。2イニング打者16人で4得点。終盤に2点差に広がっても、9回に再び1点差に迫った。ただ、あと1点届かなかった。序盤2回にミスが絡んで失った3点が最後まで重くのしかかった。

2回1死二、三塁から梅野の一、二塁間のゴロを松山竜平内野手が二塁方向に流れながら捕球。三塁走者生還を防げないタイミングで本塁に送って(記録は野選)先制を許し、1アウトのまま一、三塁に走者を残した。続く小幡の一塁線へのセーフティースクイズを捕球した松山は一塁へ悪送球。さらにカバーに入った鈴木誠也外野手の本塁への送球も大きく高く浮いた。

佐々岡真司監督が掲げる「投手を中心にした守り勝つ野球」がエースの登板試合で崩れた。本調子でなかった大瀬良は拙守に足を引っ張られ、立ち直ることができないまま3回5失点で降板した。無失策の試合は14勝13敗5分けと勝ち越している一方で、1試合複数失策の11試合では2勝8敗1分け。守備のほころびが勝利を遠ざけているだけに、佐々岡監督も「もう1回引き締め直さないと」と反省を促す。

広島は4位浮上を逃し、再び借金5。23日から〇●〇●〇●が続く。やられたらやり返すしかない。野選と1失策の松山は2本の適時打を放ち、悪送球した鈴木誠は7回に本塁へのレーザービームで補殺を記録した。「失敗した後のプレー、取り組む姿勢が大事」ということも、指揮官が就任当初から選手に求めていたものだ。30日でシーズン折り返し。やり返すチャンスは残っている。【前原淳】