新潟は福島に8-1で快勝した。6番楠本歩遊撃手(26)が3安打の猛打賞で打率を4割超えの4割4厘に乗せた。0-0の2回1死二塁で先制の右前適時打。4-1の8回無死一塁では右翼柵越えの2号2ラン本塁打を放つなど、首位打者の貫禄を見せた。3番指名打者で出場した足立尚也内野手(31)は3回2死一塁で左前打を放ち、リーグ通算500安打を達成。7回にも右前打し通算安打を501本と伸ばした。

楠本が打った。勝負強さは並外れ。走者がいる場面で安打を放ち、本塁にかえした。首位打者の真骨頂で、打率も試合前の3割9分から4割4厘の大台に乗せた。0-0の2回1死二塁の好機に先制の右前打を放ち、2-0の3回2死満塁ではバットを折りながら打球を右前まで運ぶ。猛打ショーの仕上げは8回無死一塁。右翼柵越えの2号2ラン本塁打だ。打った瞬間に「行ったと思った」と言う会心の一撃で快勝へのお膳立てをした。

「3打席で得点に結びつく仕事ができた。僕だけの仕事ではないけれど、1つの役割を果たせたと思う」。つなぐ打線が塁上をにぎわし、最後の部分を楠本が担った。8得点のうち、5打点をたたき出した。「打席でボールを選べているのが大きい。狙ったボールに対して反応できている」。8回の本塁打は直球狙いから、投じられたスライダーに瞬時に反応。フルスイングで打球を右翼スタンドまで飛ばした。

筑波大の大卒ルーキーから、新潟在籍4年目。ここ2シーズン、3割打者として存在感を放っている。18年は3割2分8厘。昨季は3割3厘。今季はシーズン6割消化時点で初の4割超え。しかし打率には「一喜一憂しない」と言う。「試合の中でどれだけ自分の仕事ができるかを考えている。打率は最終的に残せればいい」。今日30日は群馬とのビジター戦が控える。「切り替えて相手先発投手を打つ準備をしたい」と楠本はもう、この日の活躍を頭の隅に追いやっていた。【涌井幹雄】

○…新潟のベテラン、足立が福島戦でリーグ通算500安打を達成した。1-0の3回2死一塁で左前打を放ち、10年目のシーズンで大台に到達。「10年間、1つのチームにいられたことが幸せ。(ホームの)サポーターの前で見せられて良かった」。7回は501本目となる右前打を打った。「チームの勝利につなげられるように1本1本積み重ねていきたい」と話していた。