広島が8月31日、1日から始まる13連戦へ向けて敵地・名古屋へ移動した。敵地での3連戦を終えた翌日は広島へ移動した日にナイターを行い、土日はデーゲーム。本拠地での7連戦後には、再び甲子園へ移動した日にナイターが待っている。最後は再びデーゲーム2連戦で締めくくりとなる過酷な日程。1日の休養を挟み、さらに9連戦が始まる。開幕から6連戦が続いた広島ナインにとって、後半戦最初の戦いが大きな正念場といえる。

佐々岡真司監督(53)は「投手を中心とした守り勝つ野球」を掲げる。今後も1点でも少なく、ミスをなくす意識は選手に求める。ただ、チーム事情に加え、蓄積疲労の影響を受ける夏場は打線が投手陣を引っ張る時期と捉えている。「きついのは分かるけど、打たないと勝てないだろう。投手を中心として守りの野球は基本だけど、やっぱり打って勝って勢いに乗りたいところ」。攻撃陣に上位浮上のけん引役を期待する。

リーグトップはDeNAに譲ったものの、リーグ2位のチーム打率2割6分5厘を残す。12球団で唯一、0封負けが1度もない。つながりは、ある。ただ、30日阪神戦のように序盤に大量失点しては機動力はつかえず、つなぎの攻撃もできない。攻撃陣の攻撃力も半減する。

投手陣に不安を残す今季は1点を先制した試合でも7勝9敗1分けと、負け越している。先制点が2点以上になると、10勝1敗1分けと勝率が一気に跳ね上がる。複数得点の援護で、試合の主導権を握ることが反攻の鍵となりそうだ。

13連戦では主力でも1試合以上はスタメンから外す方針のようだ。すでに西川、石原慶がコンディション不良で戦線離脱。打撃好調の堂林も29日阪神戦で左足首を痛め、翌30日は欠場した。先発投手も中6日の登板間隔を維持し、中継ぎ陣は基本は最大3連投。上位浮上へムチを打ちながらも、これ以上の離脱者を出さないことも求められる。

広島は24勝30敗6分けの5位でシーズンを折り返した。佐々岡監督は「1つずつ、まずは借金返さないといけない」と表情を引き締める。後半戦で、佐々岡広島の真価が問われる。