阪神藤川球児投手(40)が1日、西宮市内で会見を行い、今季限りでの現役引退について語った。前日8月31日に日米通算250セーブにあと5に迫っている右腕の今季限りでの引退が球団から発表されていた。

第一声は「シーズン中、タイガースが13連戦始まるというところで、こういった会見を開かせていただいたことを球団に感謝しています」。インタビュアーからお疲れさまでした、と声を掛けられると「まだ、あと2カ月ありますから。気合入れて頑張りますよ」と笑顔で話した。

引退の理由の1つとして「1年間、体の準備が整わないというのはプロとして失格」と挙げた。「1年間、1週間の中で6連戦がありますしプロ野球ならば。6連戦中に6試合すべて登板する準備があるというのが僕のモットー」とも語った。また、会見内で涙をこらえ、2分ほどうつむくシーンもあった。

今季は守護神として開幕を迎えたが防御率7・20と本来の力を発揮できておらず、右肩のコンディション不良、右上肢のコンディション不良と2度の出場選手登録の抹消を経験。現在は9月中の1軍復帰を目指して、2軍調整を続けている。

◆藤川球児(ふじかわ・きゅうじ)1980年(昭55)7月21日、高知県生まれ。高知商2年夏に甲子園出場。98年ドラフト1位で阪神入団。リリーフに専念した05年、ウィリアムス、久保田との救援トリオ「JFK」の中核を担いリーグ優勝に貢献。06年途中から抑えを務め、07年の46セーブはセ・リーグ最多タイ。12年オフ、FAでカブス移籍。13年6月に右肘のトミー・ジョン手術を受けた。15年にレンジャーズへ移籍したが5月に自由契約となり、四国IL・高知に加入し無報酬でプレー。16年に阪神復帰。07、11年最多セーブ。NPB通算243セーブは歴代4位で球団最多。06、09年WBC、08年北京五輪日本代表。185センチ、90キロ。右投げ左打ち。