中日大野雄大投手(31)が球団タイ記録の5試合連続完投勝利を達成した。06年佐藤充以来球団4人目の快挙だ。広島打線を9回2安打に抑え、自身初の2試合連続完封の快投だった。

相手打線は左腕対策に1番から9番まで全員右打者を並べたが、動じない。「良かったのは真っすぐ。真っすぐを意識してくれるから、三振をフォークで取れた」。最速150キロでキレのある直球に、変化球も効果的に決まった。6月26日広島戦(ナゴヤドーム)で2打席連続アーチを浴びた鈴木誠も、3打席ともフォークを決め球に内野ゴロに沈めた。二塁を踏ませず、2試合ぶりの2ケタ11奪三振で試合を締めた。

大野雄は元阪神ファン。この日、大学時代から憧れた阪神藤川が引退会見を開いた。「藤川さんに憧れていた。バッターが分かっていても打てない真っすぐを投げていた。大学3年くらいからずっと練習してきました。引退されることに僕が偉そうなことは言えません」。ストレートにこだわるレジェンドの背中を追いかけた。中日入団時に選んだ背番号も、「藤川さんがつけている番号や」と、複数の候補から選んだのが、同じ「22」だった。

前日8月31日にグラウンドキーパーと意見交換して本拠地のマウンドを硬めに設定。「投げやすかった」と地の利も生かした。08年の吉見以来となる2試合連続完封勝利で25回連続無失点となった。「(記録は)うれしい。でも次回もチームが勝つことにこだわりたい」。次戦は8日巨人戦(ナゴヤドーム)が有力。竜の浮沈を握るエースが巨人相手に球団新記録に挑む。【伊東大介】

▽中日与田監督(大野雄の5試合連続完投について)「本当に最後まで安心して見られた。大野本人、チームメートのサポートでうまくできた記録と思っています」