トレードでロッテへの移籍が決まった巨人沢村拓一投手(32)が8日、川崎市のジャイアンツ球場にあいさつに訪れた。午前8時22分、青いスーツをまとい、一足先にグラウンドに現れると、試合前練習に出てきた阿部2軍監督をはじめとした2軍首脳陣やナインに移籍を報告した。「ジャイアンツに10年ドラフトで指名していただきまして、9年半という短いようで長いような時間でしたけど、監督、コーチはじめ、選手、裏方さん、たくさんの方々に支えられてプレーできました。本当にみなさんに感謝しています」と頭を下げた。

入団当初の監督でもある原監督や中大の先輩でバッテリーも組んだ阿部2軍監督に対し「僕自身も思い入れが強いです。野球人としても、一社会人としても、1人の男としても魅了されて9年半やってきた。その気持ちは変わらないですけど、送り出していただいたからにはしっかり今後頑張っていきたい」と思いを口にした。

ロッテへ移籍については「後ろ向きなことは一切ないです。楽しみでしかない」とし「優勝争いをしているチームで井口監督からも『優勝する戦力に』っていう言葉もいただいた。求められていくと思っているので、与えられたポジションでしっかり結果を残せるように頑張っていきたい」と力を込めた。

◆沢村拓一(さわむら・ひろかず) 1988年(昭63)4月3日、栃木県栃木市生まれ。佐野日大から中大を経て10年ドラフト1位で巨人に入団。1年目から29試合に登板し、11勝11敗、防御率2・03の成績を残し、新人王を獲得。15年に中継ぎに配置転換されると、守護神として2年連続35セーブ以上を記録し16年には最多セーブのタイトルを獲得した。今季は13試合に登板し1勝1敗、防御率6・08。155キロ超えの直球を武器とする半面、制球を乱す場面が目立ち、3軍降格も味わった。プロ通算10年で330試合に登板し、48勝50敗、74セーブ、防御率2・79。184センチ、102キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1億5400万円。