阪神岩田稔投手(36)が6回2/3を4安打無四球無失点の快投を披露し、454日ぶり白星を挙げた。

立ち上がりから制球がさえにさえた。丁寧に低め、コースを突き、3回まで完全投球。7回に2安打を許して降板したが、打者23人から内野ゴロ12個を奪った。梅野のリードに応え、ミット目がけて腕を振った。「テンポ良くいけたので、自分の投球ができたかなと思います。僕はバッタバッタと三振を取るピッチャーじゃないので。こうやってバックの方に守ってもらって、アウトをしっかり取っていく選手。それができて良かったです」。三塁ベースを踏ませない安定感だった。

試合後は甲子園の大歓声を浴び、梅野とバッテリーでお立ち台に上がった。昨年7月以来の白星に「ホッとしてます。ちょっと恥ずかしいんですけども、消えそうで消えない(油性)マジックみたいなのが岩田稔だと思っているので。そういう風に、頑張っていけたらなと思います」。持ち味を出しきった36歳左腕が、ニコッと笑った。

1軍で初登板初先発した9月21日DeNA戦は5回3失点。翌22日に出場選手登録を抹消されていた。通常であれば、最短でも登録抹消期間10日間を経て10月2日以降から再登録が可能となる。今回はチームの新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、「特例2020」の代替指名選手として再登録されていた。

当初は9月30日のウエスタン・リーグ、オリックス戦に先発予定だった。コロナショックで調整に変更が出たが、ベテランらしく落ち着いて対応。19年7月5日広島戦以来となる勝ち星を手にした。