ソフトバンク工藤公康監督(57)が勝利への執念を燃やして首位を守った。

0-1の7回に栗原の適時打で同点とすると、なおも1死三塁でスクイズを敢行。甲斐がしっかり決め、今季初の「決勝スクイズ」を完成させた。

工藤監督 勝ち越さないといけないという思いがあったので。甲斐くんがよく転がしてくれた。彼なりの執念というか、決めるぞという思いがありました。

9月を負け越し、2位ロッテにゲーム差なしまで詰め寄られた。「勝負の10月」と言い切る指揮官は、その初日に勝利、そして優勝への強い意志をタクトで表現。勝ち越した直後の7回裏は投手リレーでもそれを示した。1死一塁で先発石川から嘉弥真にスイッチ。2死一、二塁で小深田を迎えると「8回の男」のモイネロを投入した。モイネロは三振で切り抜けると今季初の「回またぎ」で8回を3者凡退に切った。

工藤監督 流れを切りたいと思ってモイネロに行ってもらった。回またぎはやってなかったので、どうかなとは思ったが無理して行ってもらった。

試合前に主砲デスパイネが右膝痛で離脱したが、小技で勝利を決めた。「勝って帰るのと負けて帰るのは全然違う。月も変わって流れも変わって、これからいい戦いができるようにしたい」。今季最後のビジターでの楽天戦を終え、残り31試合。敗れた2位ロッテとは再び1ゲーム差だ。V奪取のスパートはここから本格化する。【浦田由紀夫】