巨人菅野智之投手が、偉大な節目に到達した。

7回120球を投げて4安打4奪三振で3失点。プロ入り通算100勝とともに、プロ野球史上初の開幕戦からの13連勝を達成した。

中盤は制球に苦しむシーンもあったが、勝ち切る強さがある。1点リードの3回に犠飛で追い付かれ、丸の3ランで突き放した直後の4回は、元同僚のロペスに2ランを許した。5回までに3失点。それでも表情は冷静。マウンドで一喜一憂することはない。1球入魂で打者を迎え撃ち、堂々とした背中を仲間に示した。

6月26日ヤクルト戦(神宮)では、6回途中5失点。大量失点しながら、チームメートの援護もあり、負け投手は免れた。この日も失点しても、心強い打線がバックアップしてくれた。丸の3ランに続き、5回には代打のウィーラーが10号2ラン。1発で、エースに流れを運んでくれた。

「中継ぎ陣が頑張ってくれているので、1イニングでも長く投げられるように頑張ります」と臨んだ一戦。支えてくれる仲間のために腕を振り、プロ野球界に新たな歴史を刻んだ。

 

▼菅野が13年田中(楽天)以来7人目の開幕13連勝。開幕からの連勝記録は13年田中の24連勝(すべて先発勝利)だが、セ・リーグで13連勝は66年堀内(巨人)に並ぶタイ記録。開幕投手では04年岩隈(楽天)の12連勝を抜いて新記録だ。堀内は先発で11勝、救援で2勝しており、セ・リーグでオール先発勝利の開幕13連勝は菅野が初めて。

▼菅野がプロ野球138人目の通算100勝を達成。89年生まれの菅野は、平成生まれで最初に100勝を記録した。初勝利は13年4月6日中日戦で、通算192試合目に到達は歴代7位のスピード。松坂(西武)上原(巨人)より1試合遅いものの、100勝達成時に松坂57敗、上原52敗に対し、菅野は47敗で達成時の勝率が6割8分の9位。ペースが早くても敗戦数が多かったり、稲尾(西鉄)のように先発、救援とフル回転の投手は試合数が多かったりで、ペースと勝率の両方10傑入りは6人。2リーグ制後に入団では杉浦(南海)と菅野しかいない。