阪神藤浪晋太郎投手が自己最速を塗り替えた。2点ビハインドの7回裏に登板し、1イニングを完全投球。2死から3番アルモンテへの4球目、外角に外れた直球が161キロを計測した。

「球速を楽しんでいる余裕は正直ないですが、スピードも出ないよりは出た方がいい。そこを目指すわけではないですが、良かったのかなと思います」。自己最速を1キロ更新。17年のドリスに続き、2日前にスアレスが計測したばかりの球団最速記録に並んだ。

3連投で今季リリーフ登板9戦目。安定感が増している。先頭の1番大島には160キロを投げ込んだ後、158キロで押し込んで遊ゴロ。2番京田は159キロで詰まらせて遊ゴロ。アルモンテからは最後、カットボールで空振り三振を奪った。これで4戦連続で無安打無失点投球だ。

制球難に苦しんだ数年間も愚直に肉体強化を続けてきた。球速よりも質を追い求めているとはいえ、161キロは地道な努力の証しといえる。「相手の流れを断ち切りたいと思いながら投げました。結果的に3人で抑えることができて良かったです」。魅力あふれる投球が続く。【佐井陽介】

▽阪神金村投手コーチ(藤浪が球団最速タイの161キロ)「すごく良い状態。お客さんが160キロとか出て『わーっ』となってくれているし、いいモチベーションになっている。ただ、球速より抑えてくれればいいかなと思っています。毎日のように投げられることで、打者にも腕を振れる感覚が出てきたと思います」