ミスでピンチが拡大したことも影響したのか。

守護神スアレスが今季初被弾し、虎が痛恨のサヨナラ負けだ。暗転への始まりは、1点リードの9回1死一、二塁。迎えたビシエドの打球は二直だった。セカンド植田が捕球したまではよかった。だが、その植田の二塁送球が悪送球に…。一打逆転の危機となった2死二、三塁で、高橋に左翼席へ3ランを運ばれた。スアレスは今季42試合目の登板で初の被弾。黒星がつくのも移籍後初で、チームは中日に3連戦3連敗を喫した。

リーグトップの20セーブを挙げるなどリリーフ陣の中軸を担ってきた助っ人右腕について、矢野監督は「それはもう勝負だから。スアちゃん(スアレス)、今まで助けてもらってきた」と責めることはなかった。ただ、悔やまれるのは、敗戦の伏線として攻守でのミスがあったこと。指揮官も「今日はそういうのが多すぎた。ベースカバーとか、エラーとかね」と言った。

初回の先制点献上は1番大島の一塁への打球に対し、岩田の一塁ベースカバーが遅れたことがきっかけとなった(記録は内野安打)。1回に井上が、3回にはボーアが失策しており、9回の植田の失策で、両リーグワーストのチーム失策数は70まで増えた。そして、この日は攻撃でも大きなミスがあった。1点を追う2回1死二塁の場面。原口の三遊間を抜く安打で、二走ボーアが三塁に進めず、その後も得点できなかった。

8回にチーム25イニングぶりの得点となる3点を刻んだが、あと1死で2位に浮上できたところで逆転サヨナラ負けし、貯金0で勝率5割に。Bクラス転落を免れたことだけが救いだった。【松井周治】