俺を超えていけ-。ロッテ井口資仁監督(45)が17日、藤原恭大外野手(20)にハードルを置いた。日本ハム戦が雨天中止となり報道陣に対応。「ぼくの記録くらいは軽く抜けるんじゃないですか」と、ブレーク中の若者に期待を込めた。

コロナ禍で巡ってきたチャンスで、スター候補生の藤原が輝いている。6日に1軍昇格。「1番左翼」に定着し、8試合で打率3割3分3厘。プロ1号、2号を放ち、ともに先頭打者アーチの衝撃ぶりだ。井口監督も「レギュラーをとるチャンスというか、ほぼレギュラーに近い」と評価を一気に高めている。

ここまでプロ通算53打席に立った。あと8打席で新人王資格の「60打席以内」を上回る。「恭大の目指すところはそこじゃないと思う」と、今季残りも1軍主力として積極起用する。「1年間出続けて、いろいろないくつかのタイトルをとれる選手だと思います」と大きな未来像を描く。

まだ19試合ある。大阪桐蔭時代から絶賛された能力が爆発し、逆転優勝に貢献すれば、大逆転での新人王獲得も不可能ではない。井口監督は「抜いてもらわないと」と自分超えを切に願う。走攻守3拍子が高次元でそろった“井口選手”は、例えばダイエー時代の03年には打率3割4分、27本塁打、109打点、42盗塁と華々しい成績をマーク。日米通算2254安打を記録した。「結構、ハードル高いですよ」と誇らしげに笑いながら、抜かれる日を夢見る。【金子真仁】