阪神は17日、21年シーズンから「女子硬式野球クラブチーム」を新設すると発表した。チーム名とユニホーム、阪神OBが就任予定の監督などは来年1月中旬の入団選手決定後に明らかにする。日本野球機構(NPB)では、今年4月に西武が球団公認の女子野球チームを設立しており、セ・リーグでは阪神が初めて。

阪神はこれまでに「TORACO(トラコ)プロジェクト」や「幼稚園・小学校訪問」などを通じて女子と野球の接点を増やす活動を積極的に行ってきた。今回の女子クラブチーム創設は3つの狙いがある。

(1)女子野球選手の憧れ、目標になる

(2)女子が野球を始めやすい環境作り

(3)女子野球人口を増やして女性の野球ファン、阪神ファンを増やす

今月から希望者を募り、入団セレクションを実施する。毎週末に1回程度、兵庫・西宮市周辺で全体練習を行い、甲子園や鳴尾浜を使用する可能性もあるという。オフは阪神の監督、コーチ、選手らとタッグを組んで野球教室、小学校訪問などを行うことも検討する。

あくまでもクラブチームで実業団やプロチームとは異なるが、当面は球団が会場費やユニホーム、ボールなど野球用具などを支援する。全日本女子野球連盟と関西女子硬式野球連盟に登録し、大会に参加する。現在、女子高校野球部は全国で約40校あるが、特に関西はクラブチーム、社会人チームが少なく受け皿になる可能性もある。虎の女子野球チームが1つのロールモデルになるかもしれない。

参加資格、応募方法など詳細は球団公式サイトで19日午前10時から公開する。【桝井聡】

◆女子野球の現状 日本女子プロ野球リーグの公式サイトによると、女子野球の競技人口は現在、学童野球を含め2万人以上。硬式ではプロ4チームや大学8校、高校40校などが活動している。全日本女子野球連盟の山田代表理事は「以前より関西の女子野球に多大なるご理解とご支援をいただいております阪神タイガース様が女子のチームを作ってくださることは大変ありがたく、女子野球の歴史に新たな1ページを作ってくださることだと思っております」とコメントした。