広島のドラフト1位森下暢仁投手(23)が7回1失点、8奪三振と力投も、9勝目はならなかった。最速153キロの直球と変化球を低めに集め、中日打線を圧倒。1点のリードを守り、勝利投手の権利を持って降板したが、勝ちパターンが崩壊。2-1の8回に塹江が1死から四球と単打でピンチを招き、フランスアに継投。だが2死満塁から阿部に逆転打を許し、森下の勝ち星が消えた。

「良い投げ合いができたらと思って、いつも通り準備して入りました。良い感じで入れました」

相手先発の柳は明大の3学年先輩で、寮では同部屋だった。プロ入り後初の投げ合いに「柳さんとこういう舞台で一緒に投げ合うことができて、明大に入ってよかった」と感慨深げ。投球内容では先輩を上回ったものの、結果的には柳に勝ち星がついた。「初めて対戦しました」という2回2死での打席では、柳から右翼線への二塁打を放ち「良いところに飛んだ」と振り返った。

森下が今季勝ち投手の権利を持って降板し、勝ち星が消えた試合はこれで3試合目。佐々岡監督は森下について「しっかり試合を作ってくれて、勝てる試合だった」と語り、8回の継投については「勝たせたいと思っての継投だった。これで失敗したら監督の責任でもある」と肩を落とした。

8勝で並び、新人王を争う巨人戸郷を勝ち星で上回れず。「しっかり勝つことだけを意識して、次に向かって、準備していきたい。ゲームを作っていければ結果もついてくると思っている」と切り替えた。【古財稜明】

▼広島横山投手コーチ(8回の継投について)「勝ちパターンなので、最善というところ。(登板過多は)どこも同じ条件。勝ちきらないといけない。結果四球が失点につながった」