日本ハム近藤健介外野手(27)が18日、ロッテ23回戦(ZOZOマリン)で、5回の右前2点適時打を含む2安打を放ち、打率3割4分3厘をキープした。トップのオリックス吉田正との差を7厘に詰め、初の首位打者獲得も射程圏。2度タイトルを獲得した実績がある小笠原道大ヘッド兼打撃コーチ(46)は、打席での修正能力を高く評価し、逆転タイトル獲得のカギは好不調の波の減少とエールを送った。

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いとも簡単に、安打を飛ばした。逆転した直後の5回1死満塁。ロッテ美馬の外角低め変化球をとらえ、鋭く一、二塁間を破った近藤は「下位打線からつないできたチャンスだったので、なんとかモノにしたいという気持ちでした。難しいボールでしたが、しっかりと捉えることができてよかったです」。得点圏打率はリーグトップ(3割7分5厘)、満塁時の打率は4割2分9厘にものぼる。本人も大満足の一打だった。

4回にも右前打を放ち、打率は3割4分3厘を維持。この日打率を下げたオリックス吉田正に7厘差と迫った。残り17試合。現役時代に2年連続首位打者を獲得した小笠原ヘッド兼打撃コーチは、「毎日毎日、1打席1打席、起こったことを自分で分析して、修正しようとする。自分の中でしっかりしている部分があるから、すぐにゲームの中で対応できる」と、打撃技術を高く評価。逆転での戴冠へ「好不調はあるわけだから、そのムラをなくすことが大事」と“道”を示した。

昨季タイトルを獲得した最高出塁率は、今季もリーグトップ。それも歴代6位に相当する4割7分と高い水準を誇る。首位打者との“2冠”も狙える位置におり、栗山監督は「ここから、ますますチームが勝つためにもエンジンをかけてくれたら」と期待を込めた。“打撃の申し子”が、シーズン最終盤の主役になる。【中島宙恵】