恵みの雨で、球団史上最多「6冠」への望みがつながった。日本ハムは19日、ロッテ24回戦(ZOZOマリン)が雨天中止となった。

代替試合は来月9日以降に組み込まれることが濃厚で、今日20日ソフトバンク戦(札幌ドーム)に先発する上沢直之投手(26)が、今後最大4試合に登板できることになる。規定投球回数をクリアし、最優秀防御率のタイトルを獲得することも可能になり、打点トップの中田や、近藤、西川を含め、投打6部門でタイトルを独占する可能性もある。

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天気予報を裏切る形で、幕張に大粒の雨が落ちてきた。ロッテ戦の中止が決まり、チームは隣接する室内練習場で汗を流した。20日ソフトバンク戦(札幌ドーム)に先発する上沢は、自身の9勝目だけでなく、個人タイトルを争う仲間を思い「チームメートのためにも何とかしたい」と、ライバル封じへ気持ちを高めた。

上沢にとっても、目標の規定投球回数をクリアするチャンスが出てきた。この日の代替試合は、来月9日以降が濃厚。当初の予定では、残り最大3試合での先発が見込まれていたが、1試合増やせる計算になる。規定まではあと28イニング。4試合だと平均7イニングで到達できる。防御率はトップのオリックス山本と0・36しか差がなく、逆転でのタイトル獲得も可能だ。

現在チームには、本塁打と打点の2冠を狙う中田、最高出塁率と首位打者を目指す近藤、盗塁王を争う西川と、野手5部門で個人タイトル狙える選手がいる。シーズン終盤で、これだけ個人タイトル争いが見られることは珍しく、上沢は「お互い助け合いながら、持ちつ持たれつなので。僕が抑えれば。強い意志を持って(チームメートが争うライバルを)やっつけたい」と力を込めた。

まずは西川が5差で追う、盗塁トップのソフトバンク周東が相手。「塁に出さないことが僕にとっても重要。しっかり気合を入れてやっていきたい」と目を光らせた。【中島宙恵】