ソフトバンクに、ついに優勝マジックが点灯した。先発千賀滉大投手(27)が6回1/3を1失点(自責0)に抑え、5年連続2ケタ勝利に王手となる9勝目。チームに11年5月から6月以来9年ぶり、工藤ホークスとしては初の10連勝をもたらした。ロッテが敗れたため、3年ぶりのリーグ優勝へマジック8がつき、最短25日にも工藤監督が宙に舞う。

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頼れる右腕が、待望のマジックを点灯させた。敵地。札幌ドームで日本ハムの前に立ちはだかり、チームに9年ぶりの10連勝を運んだ。2回に1点を先制されたが、粘りの投球で7回途中まで1失点。自慢の力強い投球ではなく、我慢強い投球で追加点を許さなかった。

リベンジだった。今季、ここまで日本ハムに2戦2敗。昨年は5戦5勝だった「カモ」は、今年は逆の立場にエースのプライドが許さなかった。日本ハム1番から3番までを無安打。2回に周東の失策から失点(自責0)したが、3、4回は三者凡退に仕留めた。「チームのいい流れに乗せてもらった。納得のいく投球ではありませんが、栗原をはじめ野手のみんなに助けられました。野手の皆さんには本当に感謝です」。6回に好返球で失点を防いだ右翼栗原をはじめ、打線に感謝した。

昨年の悔しさは忘れない。9月24日、残り3試合となった141試合目の楽天戦に先発し、敗れた日に西武の連覇が決まった。雪辱に向け、バージョンアップを誓い、フォームを改造するも思うようにいかず、右上腕部の違和感で春季キャンプを離脱。新型コロナウイルス感染拡大の影響で遅れた開幕にも間に合わなかった。7月から合流し、もがき苦しみながら9勝目を手にした。「あと1つで2ケタいくので、自分を見つめ直して、この1週間を大事に調整したい」。5年連続2ケタ勝利に意気込んだ。

ロッテが敗れ、3年ぶりのリーグ優勝へマジック8が点灯。最短で今週末の25日にも優勝が決まる。工藤監督は「8勝するために、明日(22日)がその1つ目と、強い気持ちをもって臨むことが大事」と気を引き締めた。宿敵ロッテとの直接対決を6試合残すも、その前に決着をつける。【浦田由紀夫】

▽ソフトバンク・グラシアル(7回に2点適時二塁打)「チャンスでいいバッティングができて良かった。いいつながりができていると思うので、継続していきたい」

▽ソフトバンク岩崎(31歳の誕生日に好救援で今季8ホールド目)「先頭の四球は反省です。その後の打者をしっかり抑えられたので良かったです。チームも勝ちましたし、明日からまた結果を出せるように頑張ります」