ヤクルト五十嵐亮太投手(41)が、23年間の現役に笑顔で別れを告げた。

8回。中継ぎだけで日米通算906試合登板となる最後のマウンドへ。初球のど真ん中143キロ直球を中日シエラが捉えたが、三塁手エスコバーが好捕。三ゴロに抑えた。

感謝の気持ちが詰まった1球だった。記念球は、惜しげもなく一塁側のファンへ投げ入れた。約7分間のあいさつでは、ファンへの愛、チーム愛を語った。

「最後に僕からお願いがあります。今年一番の拍手を選手、そしてチームに送ってください。僕はこれからもファンのみなさんと、ともに戦い、喜びを分かち合える景色をずっと見ていたい。ともに戦っていってくれるでしょうか」

総立ちの神宮球場から大きな拍手が降り注いだ。

神宮外苑での試合前練習後には、見守ったファンへ「23年間、ありがとうございました」とあいさつ。場内一周では外野フェンスに腰掛け手を振り、大声で「ありがとう」と叫び続けた。最後は「ロケットボーイズ」として共に活躍した石井投手コーチと肩を組んで歩いた。五十嵐には、神宮のマウンドがよく似合う。【保坂恭子】