左封じはお任せ! 阪神育成ドラフト1位の九産大・岩田将貴投手(22)が4日、福岡市内の同校で畑山統括スカウト、田中スカウトから指名あいさつを受けた。打者に背中を向けるほどひねるサイドスロー左腕は「まず支配下を目指す。7、8回を任せられるピッチャーになりたい」と勝利の方程式入りを夢見た。

変則フォームの原点は、硬式野球を始めた中学1年の時。小学生で始めたソフトボールから野球に転向したのを機に投手になったが、制球が定まらなかった。そこで当時の投手コーチにサイドスローを打診され「うまくハマった」という。

プロ野球を見るようになってからは地元福岡のソフトバンクで活躍した森福を参考にした。「下半身の使い方もそうですけど、左バッターにいかに見せづらくするか。スピードもそんなに速いわけではないので、緩急の使い方をずっと参考にしていました」。

左打者にとって打ちにくいとされる外角へのスライダーだけで7種類、変化させることができるという。「スピードと曲げる幅、曲がる量とを変えています。高校のときに真っすぐだけじゃ抑えられなかった。スライダーも全部同じ球速。そこでどんどん手先を変えてみたりとかして、そうしたら7種類になってました」。変幻自在の育成左腕が、シンデレラストーリーを歩む。【只松憲】

阪神田中スカウト(岩田将について)「右打者も十分抑えられる。畑山スカウトも言ってましたが、巨人の高梨、大江のような感じになってくれたらなと。全くうちにはいないタイプ」

◆岩田将貴(いわた・まさき)1998年(平10)6月16日、福岡県出身。小学校1年の時に吉塚クリッパーズでソフトボールをはじめ、吉塚中時代に福岡ボーイズで硬式野球を始める。九産大九州ではエースとして2年春にセンバツに出場。好きなアーティストは乃木坂46で、推しメンは西野七瀬だった。趣味はユーチューブで「1万円企画」を見ること。家族は父、母、姉、兄。身長178センチ、体重83キロ。左投げ左打ち