岡本へリベンジだ! 最速148キロ左腕の広島ドラフト2位天理大・森浦大輔投手(22=天理)が4日、奈良・天理市内の同校で指名あいさつを受けた。天理高1年の夏、甲子園をかけた奈良大会決勝で、当時智弁学園3年だった巨人岡本にヒットを浴びるなどで敗れた経験を持つ。プロの舞台で逆襲を誓った。

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おとなしい見た目とは裏腹に、胸の内には熱い闘志を秘める。思い返すのは14年7月、夏の甲子園をかけた智弁学園との奈良大会決勝。森浦は1年生ながら公式戦初先発の大役を任された。初回に3番の岡本と相対した。結果は左前打。主導権を握られ、1回4失点で降板。試合は6対8で敗れた。森浦は「高校の時に打たれているので、プロの世界で対戦することがあれば、抑えたいなと思います」とリベンジを誓った。

たった1度、1打席のみ対戦だったが、強いインパクトを受けた。当時を振り返った左腕は「(岡本は)今まで対戦した中で、一番打ちそうなオーラがありました」と明かした。今ではリーグ連覇を果たした巨人の4番にどっしりとすわる。岡本に加え対戦したい打者に巨人坂本の名を挙げ「誰が見ても良い打者。全部の球種を使って抑えていきたい」と気合を口にした。

左腕不足の広島にとって、即戦力の貴重なピースだ。スリークオーター気味の角度から投げる最速148キロの直球と、右左どちらにも有効なチェンジアップを軸に、スライダー、カーブを操る。担当の鞘師スカウトは「おとなしく見えているけど、プレーでは頑固さ、筋の通った心の強さを感じる」と評価し「投球スタイルは(日本ハム)宮西みたいな感じかな」と説明した。1年目については「(先発、中継ぎ)どちらもできると思いますけど、現段階なら中継ぎの方がイメージしやすい」と語った。

スカウトを通じて佐々岡監督からは「即戦力として期待しているので、その準備をしてほしい」と伝えられた。森浦は「しっかり1年目から1軍で活躍したい。常に全力でプレーしたい」と決意を示した。岡本に敗れ涙をのんだ14年夏から6年の時を経て、心身ともに成長を遂げた左腕。舞台をプロに変え、雪辱を期す。【古財稜明】

◆森浦大輔(もりうら・だいすけ)1998年(平10)6月15日生まれ、和歌山・新宮市出身。天理高では1年夏からベンチ入り。2年時に春夏で甲子園出場。天理大では阪神大学リーグで1年春にMVP、同年秋にMVPと最優秀投手賞を獲得。4年秋は5試合を投げ4勝1敗、防御率0・69で、ベストナインに選出。大学通算22勝11敗。175センチ、71キロ。左投げ左打ち。