引退試合を終えた阪神藤川球児投手(40)と同学年の「松坂世代」。ソフトバンク和田毅投手(39)が10日、藤川のラスト投球に心を揺さぶられた。

和田は「最後の投球を見ました。画面を通じても、心から野球を楽しんでいるのが伝わりました。これまではチームを背負って投げてきて、マウンドで笑顔になることはなかったと思うんですが、今日だけは楽しませてくれと言っているように感じましたね」とセレモニー終了後に、球団を通じてコメント。

「球場全体のファンの皆さん、両チーム全員がこの舞台を盛り上げているのを感じて、やっぱりすごいことを積み上げてきた選手なんだなと。これまでも各地で球児の引退を盛り上げていましたし、こういうことはメジャーでしか見たことがないのでそれにもすごいなと思っていました」と、この日だけではなく、ビジター各球場でも声援を受けていた姿に思いをはせた。

「今日の投球はすごいの一言。あのまっすぐが投げられてなんでやめるんだろうと思いますが、やれる、やれないじゃなく、本人がやめるとけじめをつけたのが今日だったんだなと。うれしそうに投げるのを見て感動しました」。今季、同世代では藤川の他に楽天渡辺直、楽天久保も引退表明。残る現役選手は西武松坂と和田の2人になった。「僕もあらためて、悔いなく残りの野球人生を精いっぱい生きて、最後に笑顔で投げられるマウンドを用意してもらえる選手になりたいなと思いました。本当にお疲れさまでしたと伝えたいです」と、今後への思いを強くしていた。