外野も一塁も準備します! 阪神ドラフト1位の近大・佐藤輝明内野手(21)が14日、用具提供を受けるミズノの大阪本社で打ち合わせを行った。グラブは大学時代に本職だった三塁用だけでなく、外野用、一塁用も含めた3種類を用意。「まずは試合に出たい」。名手のカブス・バエスに似せたというブロンドカラーを全グラブに配色し、ポジションにこだわることなく出番をつかみにかかる。

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ドラ1ルーキー佐藤輝はすでに覚悟を固めていた。

「大学では途中からずっとサードをやっていましたけど、まずは試合に出たいという思いが強いので、外野用とファーストミットも準備してもらいました。これからしっかりそれぞれの練習にも取り組んでいきたいと思います」

早くもプロ1年目のポジションに注目が集まる中、明確に意思表示した。

ドラフト指名直後、矢野監督が外野起用プランについて示唆。一方、近大の田中秀昌監督は“親心”から内野起用を売り込んだことを明かしていた。

本職の三塁には代えの利かない4番に成長した大山がいる。ボーア退団が決定的な一塁にしても、マルテは残留する見込み。対して、右翼は今季固定できずにいた。今後はチーム事情も踏まえながら本格的なポジション選定が始まるが、本人はポジションにこだわらずチャンスをうかがっていく。

3種類のグラブはプロ仕様に改良する。

◆三塁用 大学では近大OBの楽天藤田モデルで大きめサイズを使用していた。プロでは強烈な打球へのブロッキングも意識して「今使っているモノから少し大きめに作ってもらえるようにお願いしました」。

◆一塁用 大学ではサンプルを使用。プロではヤクルト村上モデルをベースに少し浅めの形状へ。

◆外野用 大学はサンプルを使用。プロではイチローモデルをベースにしたDeNA梶谷モデルに好感触。ミズノが今年から採用したフィット感のある型「5DNA」で勝負する。

3種類のグラブにはブロンドカラーを配色した。

「カブスのバエス選手が好きでグラブが格好いいなと思っていたので、同じようなブロンドにしてもらいました」

大リーグで18年にナ・リーグ打点王、今季は遊撃でゴールドグラブ賞に輝いた名手の魂も注入。金色に輝く未来へ、貪欲に出番をつかみにかかる。【佐井陽介】

 

○…佐藤輝はバットに広島堂林モデル、ヤクルト村上が過去に使用していたモデルの2種類を選択した。大学では西武栗山モデルの33・5インチ(約85・1センチ)、890~900グラムを使用。プロでは重さはそのままで先端をくりぬいた、長さが違う2種類を用意する。堂林モデルは33・5インチで大学時代のバットに近いもの。村上モデルは34インチ(約86・4センチ)で打球部が太く、タイ・カッブ型気味のなだらかなグリップが特徴。佐藤輝は「自分はグリップに小指をかけないと振れないタイプ。少しタイカップ気味のバットが一番しっくりきました」と説明した。

 

○…佐藤輝は足型に太鼓判を押された。計測器「インフット」で測定した結果、サイズは30センチ。スパイクは「軽さよりはクッション性があるものが合う」ようで、メッシュ素材で疲労軽減を目指す。ミズノ担当者は「骨格的にすごくきれいな形で左右のバランスもすごくいい。ここまできれいな数値が出るのはめったにない。陸上選手にも多いが、蹴り出しの力、地面をつかむ力が強い足の形をされている」と驚いていた。

 

▽ミズノ久保田憲史執行役員 近畿大学で素晴らしい成績を残されていますし、プロの世界でも即戦力としての期待に応えて、走攻守でファンの方々を楽しませるような豪快なプレーをしていただきたい。ミズノとしても最大限バックアップしていきます。数年後には佐藤モデルと呼ばれるような商品を世に出せるような選手になっていただくことを期待しています。