阪神矢野燿大監督はアウトの質向上を求めた。秋季練習3日目も守備練習に多くの時間を割いた。矢野監督の一問一答は以下の通り。
-午前のシートノック後に円陣で話を
矢野監督 みんな気づいたことをそれぞれのコーチや、俺も気づいたことがあったので。陽川、外野もやってるから、風がフォローでランナー想定してタッチアップのケースだったんだけど、別に今までも言ってることなんだけど確認でね。最後捕るときに後ろに下がって捕ってホームに投げようとしてるから。それは風を見て準備できていたら、今日の深さやったらアウトにできないかもしれないんだけど、もうちょっと浅かったりすると殺せるケースも出てくる。アウトの質にこだわろうというのをテーマとしてやってるんだけど、その中で風とか準備があれば前に出てきて捕れば足も使えるし強いボールも投げれるし、速くもなる。俺はそんなことを言っていた。他のコーチもみんなそれぞれ、中継プレーだったり、一樹(井上ヘッドコーチ)だったら声のかけ方とか。それぞれが気づいたことを言ってただけ。
-アウトの質を高める。二遊間の併殺練習も入念に取り組んでいた
矢野監督 入念というか、意識をどれだけ続けていくかだと思うので。ずっと言っていても結果的にエラーの数は減らなかったというふうになっちゃってるんだけど、俺の中では聖也(木浪)とかに、ずっとそういうの伝えてきてたし、みんなに対しても、送球がそれてアウトになるよりは、いいボールでアウトを取るほうが質が高い。そこまでこだわるというのは言ってたし、聖也の今年の守備なんか見てると、そのアウトの中身がしっかりしてるというか、数が減ったのはもちろんあるんだけど、より質にこだわるのはやっている。今のゲッツーでも結果的にアウト取れたからいい、ではなくて、もっと早くもっと正確にできる部分はあると思う。そういうのにこだわっていくことでみんな向上していける。意識の高さというか、準備と意識で変わる部分は大きい。そういうのをずっと、今年もやってるんだけど、継続して、より高いレベルでできればもっともっといい方向にいくんじゃないかと。
-質を高めるのは、この秋のテーマの1つか
矢野監督 もちろん、そうやね。だから、投内連係にしても「胸に投げられるやろ、顔に投げられたんちゃうか」とか。そういうのも、意識。高いところで意識を持ってやっていればうまくなれるだろう、と。
-本来なら春のキャンプからやるようなことでは
矢野監督 うちの課題なんで。今のうちにそういう意識を。引っ張っていってもらう世代に入っているんで。練習の中身もそうやし、ムードとか声もね。「もっといけるやろ」「アウトなったけどそれでええんか!」とか、そういう声が出てくると若い選手もついていくと思う。
-大山は守備も安定した
矢野監督 もっとできる。それこそ中身。アウトになっているけどちょっと怖いなっていう送球がね、高いとか。結果アウトになっているけど、もっといい中身のアウトが取れるんじゃないかとか。ヒットで届かなかったけれどスタートがよかったり、準備。こういう配球で、こういうバッターで、こういう打ち方したら、こういうところに飛んでくるっていうところで言うと、まだ1歩早められると思う。結果的に今年どういうふうにゴールデングラブとかも(選出に)なるのかは知らないけど、とらんとアカンでしょ。そういうところでは。今年でいいとは全然思わない。
-気が早いけど来季の打順は
矢野監督 それはまだ今、考えることじゃないんじゃない。アイツしかおらんと思わせたら、それはそうやし。別に今、俺が4番と言ったとしても来年になったら変わっている可能性もあるし。4番を打つこだわりは持っていていいと思うし。誰にも譲らないとかは全然いいと思う。今、俺が言うことじゃないと思う。
-来季、近本や大山が軸になる
矢野監督 攻撃面でいうとそうやし、逆にいうと、守備でもね。近本も去年よりうまくなっていると思うし、野球って攻走守あるので。守備まで意識を高められると、よりチームを引っ張ることになる。そのあたりは期待というか、もっともっとやってもらいたいな、と。
-投内連係について。今年、監督の中で目に留まったことがあったのか
矢野監督 投手のエラーも多かったし、いいところで捕るからいい送球になる部分があるんだけど、送球のミスも多かったので、そういうところでは、今言った、例えばバント処理してセカンドアウトになったけれど、高い球で走者が足遅くてアウトになったのは質が低い。最悪(送球が)低いのは内野手が頑張ってくれる可能性はある。低くいい球で。ダブルプレー取るにしても、いいボールがいくからショート、セカンドが投げやすくて、速く投げられる。ピッチャーもそういう部分では意識を高く。青柳なんか本当にうまくなった。あいつみたいなタイプがやってくれると。あいつもまた意欲というか、下手くそだったんだけど、そこに対する意欲がずっとあって結びついている。そういうやつがいてくれると、俺も頑張ったらうまくなれるとか、ヤギ(青柳)だってもっとうまくなりたいと思ってずっとやっているし。そういう部分でも、青柳が下手くそだからこそ、うまくなれる。一塁にもワンバウンドで転がしてでも何でもアウトにしたらええやんというのも。それが俺はスタンダードになると思う。アマチュアで一塁に送球怖い人とかは。ノーバウンドで投げないとアウトにならないというルールだったらあれやけど。ワンバウンドでも転がしてアウトにしたらいいんやから。それがある意味、そういう苦手にしている子たちにしてみたら、それが格好良くなるわけよ。青柳はその域のちょっと手前まで来ていると思うのよ。俺はチャレンジということをよく言うけど、チャレンジしていくことで、青柳見ていたら、やっぱりうまくなれるというのは見せてくれているから。もっともっと。青柳がゴールデングラブ取ったら奇跡やろ。若い頃の青柳見ている人にとってはさ。それがまた夢あるというかさ。青柳もそう思って、投内連係もやることで、自分もテンション上がるし、周りにいい影響及ぼすやん。俺はそういうことで、エラーを減らすというのは大事なんだけど、そこだけに着目すると、安全で本当に攻めない守りになっちゃうから。攻めての守りしないと、チームも個人も成長しないから。そういうところでチャレンジして欲しい。
-青柳はノーバウンドの練習もやっていた
矢野監督 ちょっとそれただけでも、もう一丁っていう声も早い。それって自分の中で、もっとうまくなりたいというのがないと(早く声は出ない)。まあええかで済ましていたら、もちろんないわけで。見ていても、そういうのは感じるよ。