ソフトバンク中村晃外野手(31)が史上初のクライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズの「ダブルMVP」を狙う。ロッテとのCS第2戦で2打席連続本塁打を放ち、最優秀選手賞に輝いた中村晃は18日、ペイペイドームでの全体練習でシート打撃に参加。バンデンハークから右翼テラス席へ鮮やかな本塁打を放り込み、好調キープを見せつけた。

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中村晃の打球が鋭いライナーのまま、無人の右翼テラス席で「カコン」と乾いた音を立てて弾んだ。シート打撃で対戦した、バンデンハークの直球をとらえて本塁打。「試合になってみないとわからないですが、いい感じじゃないですか」と、中村晃らしくクールに振り返った。CSでは自身初の2打席連発弾を放ち、ロッテを粉砕。クライマックスシリーズMVPを獲得し、チームを日本シリーズ進出に導いた打棒は好調を維持している。

レギュラーシーズンでは通算46本塁打の「アベレージヒッター」は短期決戦で変身する。ポストシーズン(CS、日本シリーズ)では7年連続でアーチをかけており、CS通算8本は並み居るスラッガーの中で歴代3位につける。日本シリーズでも14、15、17年に本塁打をマーク。今年と同じ相手の巨人と対戦した昨年も、打率4割2分9厘と好成績を残した。

中村晃は「シーズンは1年間トータルなので、数字と戦うような感じ。短期決戦はその1球、その1球で終わってしまう。しっかり自分のスイングができるように、毎回、切り替えてできたらと思っている」と、失敗を引きずらない極意を持っている。

まだ誰も成し遂げていない「ダブルMVP」だが、ポストシーズンにめっぽう強い中村晃なら…と期待は膨らむ。工藤監督は「シーズン最後の方は少し崩れていたけど、さすがに修正が早い。今はいい感じで打っていると思います」。中村晃自身は「狙って取れるものではないですからね。でも、いい感覚をこのまま持っていければいいのかなと思う」と冷静に、決戦を見据えた。【山本大地】

◆中村晃のポストシーズン 今年のCSで2打席連続本塁打を打つなど、歴代3位タイの通算8本塁打。V打も歴代2位タイの5度と、短期決戦での勝負強さが光る。日本シリーズでも阪神との14年第4戦でサヨナラ本塁打を放つなど、V打が通算3度。打率は2割9厘と高くないが、勝利につながる一打が多い。